ビジネスシーンでもよく見かける「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」という挨拶文ですが、「お喜び」「お慶び」2種類の「およろこび」をよく見かけますよね。実はそれぞれ意味が違い、使い分けがされております。
など、様々な疑問もあるかと思います。「お喜び」「お慶び」の意味の違いについて、どう使い分ければ良いのかなどについてご紹介いたします。「お喜び」「お慶び」を使った例文もご紹介いたします。
慶事で使用される言葉
日常生活でのよろこばしい事に使われる言葉
同じ言葉ではありますが、それぞれ「よろこび」のシーンが違いますね。
「お慶び」の「慶」には
などの意味があり、自分のことだけではなく他の方にとってもよろこばしい状況を表します。その代表的な事が結婚式などの「慶事」です。「お喜び」の「喜」には、人間の感情「喜怒哀楽」の中の一つになります。「うれしい」という心情を表す時に「お喜び」を使います。
意味の違いを見ても「使い分け方がいまいちわからない」という方もいらっしゃるかと思います。「私文書」か「公文書」で使い分けをすると良いでしょう。
「私文書」の場合…お慶び
「公文書」の場合…お喜び
公文書とは、役所などの公務員によって作成されている文書のことです。公文書では内容に書かわらず喜ばしいことに関しては「お喜び」と書きます。(※ただし、公務員の方でも私的感情で書いている文書には「お慶び」が使われます。)
私文書は、公務員が私的感情で書く文書のことで基本的に私文書には「お慶び」を使用します。「お慶び」「お喜び」どちらか迷ったときは「お喜び」を使うほうが無難です。
「およろこび」にはその他にも「お歓び」「お悦び」の2種類があります。
お悦び…自分の目標や願望を達成した時に使われるのが「お悦び」です。「大学試験に合格し悦びを感じている」「資格に合格して悦びを感じている」など、相手との関係性が重要になる言葉でビジネスシーンなどでは適切ではありません。
お歓び…その人の物事をよろこんで受け入れている時に使われる言葉です。「歓を隠せずに大声で叫びました」のように、感想文などでよく使われる言葉ですので、ビジネス文書などには向いていません。
「お歓び」「お悦び」どちらも、使い方が限られているため「およろこび」の表現に迷っている場合は「お喜び」を使います。
「お慶び」「お喜び」を使う際のポイントや注意点をご紹介いたします。
「お慶び」は、心からお祝いするという意味が含まれているので相手・自分が喪中の際に使うのはNGです。基本的には喪中の際に年賀状を出すことはありませんが、喪中の場合は「暑中見舞い」「昇進祝い」などの文書にも注意しなければいけません。
「お慶び」には基本的によく使われる「謹んで お慶び 申し上げます」この3セットの定型文があります。皆様も文書で見ることも多いのではないでしょうか? この3セットは、上司・同僚・部下どの立ち位置であっても使える文章です。このセットを覚えておくと便利です。
「お慶び」を使うときは必ず「お慶び申し上げます」と、謙譲語を使うようにしましょう。「お慶び 申し上げます」は1つのセットの言葉と認識していると覚えやすいかと思います。
「心より」は「心の底から」という意味になります。「心からお慶び」というように「お慶び」の前に「心より」もしくは「心から」を付けるとより丁寧な表現になりますよ。
「お慶び」「お喜び」を使った例文をシーン別でご紹介いたします。
年賀状では自分と相手が無事信念を迎えられたという意味を込めて「お慶び」を使います。年賀状で使う「お慶び」の例文は
などです。
取引先やお客様へビジネス文書を出す際やおめでたい事があった時の挨拶文に使われるのは「お慶び」です。それぞれ例文をご紹介いたします。
お喜びの使い方の例文は以下のとおりです。
公文書での挨拶の場合は上記のように「お喜び」とするようにしましょう。
「お喜び」「お慶び」の使い方をまとめると
「およろこび」にはその他にも「お歓び」「お悦び」の2種類がありますが、どちらも使うシーンによっては不適切になることもありますので、しっかりと使いこなせる自身が無い方は「お喜び」「お慶び」どちらかを使うほうが良いでしょう。
ビジネスシーンではどちらを使うか迷ってしまうこともあるかと思います。迷ったときは常用漢字でも使われている「お喜び」を使うのが無難です。