ビジネスシーンではたくさんの種類の書類が存在しますよね。その中でもあまり見かけない書類が「内示書」です。内示書には主に2種類があり、その2種類はそれぞれ用途は違いますが基本的な内示の意味である「ほぼ確定している事」を伝える目的という点は同じものとなります。
あまり作成する機会のない書類ですので、会社でフォーマットが準備されていない場合もあります。2種類の内示書についてフォーマットをご紹介いたします。
内示とは、「内々に示すこと」や「非公式に通知すること」のことを言います。これらを書面にして提出する書類を「内示書」といいます。「内示」と聞くと、人事異動を思い浮かべる方も多いかと思います。
内示書には「人事異動」の際に渡される「人事内示」と「正式発注前に契約予定の内容を通達」するための「発注内示」の2種類があります。
人事異動に関する非公式な通達をする際に使われる書類が「内示書」です。人事内示は異動・昇格などを本人に伝えるものですので、公式に発表される辞令発令日より前に個人宛に通達される書類のことです。
更に、人事内示にも種類がいくつかあります。
転勤や所属部署が変わる際に正式な書類が出る前に本人あてに人事内示書が通知されます。
昇進や昇格をする際にも内示が通知されます。
昇給内示は他の人事内示とは違い、まとめて通達という形で連絡されることが多いです。中にはどのくらいUPするのか書かれた内容の通知がある会社もあります。
人事異動内示書には、決められたフォーマットはありませんが、最低限必要事項は記載しておくようにしましょう。
最低限の必要事項は以下のとおりです。
辞令の内容は、簡潔にしましょう。「貴殿の活躍に期待します」など励ましの言葉を一言添えると、相手のモチベーションが上がることもありますよ。
正式な契約書の作成に時間がかかり、正式な発注書などを待っていれば納期までに作業が完了できないこともあります。その際に使われる書類が「発注内示書」です。
正式な発注前に契約予定の内容を通達することによって「受注見込み」として作業着手をすることができます。発注内示には法的効果が認められる可能性もある書類で、万が一内示取り消しなどになっても賠償要求をすることも可能な書類です。
発注内示は、最終的な価格交渉や正式な価格が決まっていないが、待っていたら作業などの納期に支障が出る場合に出される書類です。必要な事項全てが決まっていない状態で作業や納品を進めるために発行される書類です。
発注内示は法的効力が認められる可能性があると言いましたが、賠償などを求める場合色々と手間がかかります。納期などは更に遅れることになるでしょう。発注内示書を受ける場合は「撤回がないこと」を条件に着手するようにしましょう。
発注内示の記載事項の中でもとても重要なのが「内容」となります。具体的に書くことで相手の不安要素を少しでも拭うように心がけましょう。
記載内容としては以下のようなことを明確に記載するようにしましょう。
内示書の注意点をご紹介いたします。作成前に取り扱いには十分注意して作成しましょう。
人事内示の場合でも、発注内示の場合でも「予定」として書類を扱ってしまうと、大きなトラブルに発展する可能性もあります。内示書は「ほぼ確定情報」として取り扱いし、簡単に撤回してしまうと賠償問題に発展します。
信頼の元発行できる書類でもありますので、取り扱いには十分注意しましょう。
発注内示書を急に取引先へ送ってしまっても、びっくりされてしまいます。失礼にもあたりますので、絶対に独断で送らないようにしましょう。
発注内容のものが遅れそうな場合などは、相手にまずは相談をして、調節しながら「最終手段」として提案することをおすすめします。
どの書類にも言えることですが、この記事内でもお伝えしている通り、内示書には法的効力があります。特に発注内示書の場合は相手企業との信頼関係に大きく関わる書類でもあります。
記載ミスがあると、大きな問題に繋がりますので、書類を送付する前にミスがないか入念にチェックしてから送るようにしましょう。
内示書には「人事内示」と「発注内示」の2種類があることがわかりました。今後に関わるとても大切な書類ですので、ミスの無いよう慎重に取り扱わなければいけない書類です。
内示は受け取る側、渡す側双方同意の元である必要があるので、人事内示の場合は内示を出した後に、発注内示の場合は内示を出す前に双方で相談し合うことが大切ですよ。