何らかの原因で会社の従業員を解雇しなければいけない事が起きた時、その解雇が不当だとされてしまうと、解雇無効となってしまいます。
このようなトラブルにならない為には、解雇通知をしっかり行い、解雇通知書を対象従業員へ提出しなければいけません。解雇通知の正しい知識と、解雇通知書の書き方を理解しておきましょう。
会社(雇用主)が、従業員を解雇する場合、その従業員へ解雇する旨を伝えなければいけません。その、解雇を伝える方法の中の一つが解雇通知書です。
解雇通知書とは、会社が、従業員との雇用契約を何らかの理由で解除する際に、対象の従業員へ告知するための文書になります。
従業員をに伝えるために作成する解雇通知書の内容には、解雇の理由や予定日などを記載します。解雇通知書は、会社によっては解雇予告通知書とも呼ばれています。
解雇通知の方法は口頭や文書、メールなどのいくつかの方法があります。注意点も踏まえてそれぞれの内容を見ていきましょう。
解雇通知は、口頭での通知でも有効ですが、口頭の通知方法は問題点が多く実際のところあまりおすすめはできません。
口頭での通知は行いやすい、手間が省けると思いがちですがこのような理由・デメリットがあるため注意しましょう。
文書にて解雇理由や解雇日などを詳しく記載し、従業員へ提示する事で、解雇理由などを正確に伝える事ができます。最も利用されている方法で、スムーズに手続きを進める事ができる方法です。
解雇通知書送付で注意しておきたい点が、解雇通知を確実に伝えられたかどうかを証明する必要があり、確かに労働者が確認した事を明らかにするためにはメールや内容証明の郵送などの対策が必要になります。
現代では、メールやSNSでのやり取りが主流になってきているため、解雇通知をメールで行う企業も少なくありません。文書と同じく解雇理由や解雇日程などを詳細にしてメールを作成しましょう。
メールでの通知の場合、以下の点に注意しなければいけません。
メールの開封が確実に行われたと分からない場合は他の方法も併用して確実に対象従業員へ伝わるようにしなければいけません。メールの改ざんを防ぐためにPDF形式にして送付するのも良いでしょう。
解雇については、労働基準法第22条にて、以下のように定められています。
(退職時等の証明)
第22条
1.労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2.労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付する事を要しない。
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#95
解雇通知時期は、解雇をする日から、最低30日前に通知しなければいけないと、定められています。30日に不足する日数分が生じている場合、日数分の平均賃金の支払いを行うと、短縮する事が可能です。
口頭で解雇を伝えた場合、労働者から解雇通知書の交付を要望される事があります。解雇通知の要求は承諾しなければいけません。必ず書面にして提示するようにしましょう。
労働基準法で義務付けられている通り、解雇理由については書面による方法によってとされているとなっており、労働者から要求があれば口頭のみの解雇通知では足りません。
解雇通知書には最低限必要な項目がいくつかあります。項目やそれぞれポイントを一緒にチェックしていきましょう。
年月日には解雇通知書を作成した日付を入力しましょう。
表題は分かりやすく「解雇通知書」や「解雇予告通知書」などとしておきましょう。
表題の左上に従業員の氏名を記載しましょう。役職や部署などの記載は、どちらでも大丈夫です。
表題の右下に会社名と、代表取締役社長の氏名を記載しましょう。
解雇日は必ず記載しましょう。解雇日には、上記で記載したとおり、最低限の日数や、賃金支払いに関して考えたうえで決定しましょう。
解雇理由は要求があれば書面にて通知する必要があります。要求されていない場合解雇理由を必ず記載しなければいけないという事はありませんが、解雇理由の有無は、今後のリスクを考えあらかじめ記載しておく事をおすすめします。
解雇理由は、裁判になった際にその内容で会社が勝訴できるかどうかに影響します。この事を踏まえ、詳細で具体的な解雇理由を記載しておくべきなので、作成までにまとめておきましょう。
必要項目以外の項目について、解雇日までに30日に満たない場合で、平均賃金を支払う場合はその金額と振込日、振込口座についても記載しておきましょう。
労働基準法で義務付けられており、これらを守れていない場合は、満たない日数分の平均賃金の支払いや、不当解雇と訴えられてしまう恐れもあるので解雇予定のある場合は必ず注意しましょう。
トラブルが悪化しないためにも、解雇通知書は、正しく作成しましょう。ExcelやWordで作成する場合ひな形サイトを利用してみるのも作成の手間を省けるのでおすすめです。