収入証明書はどこでもらえる?会社発行?市役所発行?個人事業主のもらい方は?

収入証明書はどこでもらえる?会社発行?市役所発行?個人事業主のもらい方は?

「何らかの手続きで収入証明書が必要となった」

「従業員から収入証明書を発行してほしいと依頼された」

「収入証明書ってなに?」と思った方に必見です。普段はあまり聞きなれない収入証明書ですが、この収入証明書は、さまざまなケースで必要となる書類です。収入証明書の手入れ方や進める手順、手続きの方法などを紹介します。

収入証明書とは?手続きに必要な書類や手順など解説!

収入証明書とはどんな書類で、どこで手続きすれば発行してもらえる書類なのでしょうか?

どこで手続きする?

収入証明書には、役所発行の収入証明書と会社発行の収入証明書があります。そのため、居住する自治体の役所か、働いている勤務先で手続きすれば収入証明書を手に入れることができます。

役所発行の収入証明書と会社発行の収入証明書のどちらであっても、「収入証明を発行してほしい」という依頼では手続きできません。なぜなら、収入証明書という名称の書類は実在しないからです。

収入証明書とは?

収入証明書という名称の書類は実在していませんが、収入証明書となる書類は実在するので、必要な場合は、収入証明書となる書類の発行手続きを役所か勤務先の事務担当者に依頼することになります。

収入証明書となる書類には、下記の種類があります。

  • 給与明細
  • 給与証明書
  • 源泉徴収票
  • 所得証明書(課税証明書)
  • 確定申告書

給与明細、給与証明書、源泉徴収が会社発行の収入証明書。そして、所得証明書(課税証明書)、確定申告書が役所発行の収入証明書です。

給与明細

勤務先から毎月発行される給与明細書には、毎月支払われている給与の額が記載されているので収入証明書として使うことができます。給与明細書に記載されているのは1ヶ月分の収入です。そのため、収入証明書の条件が「直近の連続2ヶ月分、支給年月の記載があるもの」などの1ヶ月分以上の収入を証明できる収入証明書である必要がある場合だと、給与明細を収入証明書として使うことはできません。

給与証明書

給与明細と給与証明書は別の書類です。給与明細は1ヶ月分の収入しか記載していないのに対し、給与証明書は任意期間における給与を証明する書類です。 収入証明書の条件が「直近の連続2ヶ月分、支給年月の記載があるもの」となっていても給与証明書なら収入証明書として使うことができます。

源泉徴収票

会社や役所に勤務している方であれば、12月末の年末調整の時に源泉徴収票が発行されているはずです。源泉徴収票は昨年1年間(昨年1/1~12/31まで)に得た所得(収入)の合計を証明する書類ですから、収入証明書として使うことができます。

所得証明書(課税証明書)

その年の1月1日から12月31日までに、いくらの所得があったが記載されている書類が所得証明書です。所得証明書には、所得額だけでなく課税額が記載されているので課税証明書と呼ぶ場合もありますが、厳密に言うと1年間の所得(収入)額のみが書かれているのが所得証明書、所得控除の内容及び住民税の課税額のみが書かれているのが課税証明書です。そして、その両方が記載されているのが所得課税証明書です。

課税のない人の課税証明書は発行されず、非課税証明書が発行されます。収入のみを証明する収入証明書が必要な場合は所得証明書だけでよいですが、税金の支払いに関する証明が必要な場合は、課税証明書か非課税証明書が必要となるでしょう。

確定申告書

確定申告書とは、1月1日~12月31日の1年間に所得のあった人が所得税と復興特別所得税の額を申告納税したり、納め過ぎた所得税と復興特別所得税の還付申告をする税務処理をしたりするための書類です。

この確定申告には、白色申告と青色申告とがありますが、どちらの確定申告に使う確定申告書でも収入証明書として使うことができます。

手続きの手順は?

収入証明書となる書類を手に入れるための手続きの手順は、役所発行の収入証明書と会社発行の収入証明書かによって大きく違ってきます。

会社発行の収入証明書の手続きの手順

会社発行の収入証明書の手続きの手順

会社発行の収入証明書には、給与明細・給与証明書・源泉徴収などがありますが、そのうち給与明細書と源泉徴収票は、勤務先から発行されたものがあるのなら、手続きをして発行してもらう必要はありません。

発行してもらったものを紛失してしまった場合は、給与証明書と同じ手順で手続きをして発行してもらうことになります。

手順は下記のとおりです。

1.勤務先の事務担当者に連絡

2.発行してもらいたい書類を伝える

3.いつからいつまでの収入の証明が必要かを伝える

以上の流れで手続きをすれば、収入証明書となる書類を手に入れることができます。会社発行の収入証明書の手続きをする場合で、「収入証明書を発行してほしい」と手続きする方が多いようです。

利用目的を伝えて発行してもらう

収入証明書という書類は存在しないので、単に収入証明書の発行という依頼では依頼された担当者が困惑してしまう可能性があります。必ず「収入証明書として使いたいので給与証明書を発行してほしい」、「収入証明書が必要なので源泉徴収(給与明細)を再発行してもらいたい」など、どの書類を収入証明書として使うので発行してもらいたいかを明確に伝えて手続きをするようにしましょう。

役所発行の収入証明書の手続きの手順

役所発行の収入証明書には、所得証明書と確定申告書がありますが、確定申告書は主に個人事業主が使える収入証明書です。確定申告した際に複写した控えのコピーを収入証明書として使えますが、控えを紛失した場合は、確定申告書を提出した税務署に請求すれば、控えを発行してもらうことができます。

所得証明書の方は、住所のある自治体の市役所や役場で発行してもらえます。間違えてはいけないのが、この住所のある自治体とは「その年の1月1日時点に住所を置いていた自治体」のことです。

所得証明書の手続きの手順は、下記のとおりです。 

1.役場の窓口か自治体のHPで交付申請書を手に入れる

2.氏名や住所などの必要事項を記入して役所の窓口に提出

です。確定申告書の控えを発行してもらう場合の手順は、下記のとおりです。

1.税務署か国税局のHPなどで保有個人情報開示請求書を手に入れる

2.保有個人情報開示請求書に必要事項を記入

3.保有個人情報開示請求書を窓口に提出するか郵送する

保有個人情報開示請求書を提出してから、2週間から1カ月程度で、確定申告書の控えが送られてくるはずです。

手続きに必要な書類は?

給与明細・給与証明書・源泉徴収といった会社発行の収入証明書には、手続きに必要となる書類はありません。勤務先にこれらの書類を発行してもらうための請求書がある場合は、そうした書類が手続きをするのに必要となるでしょう。

所得証明書の発行手続きには、まず交付申請書が必要となります。所得証明書の交付申請書は、自治体によっては名称が違う場合があるので注意しましょう。運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書が必要になるほか、手続きに必要な書類ではありませんが、印鑑と手数料も必要です。

所得証明書の発行手数料も自治体によって違っていますが、約300円が必要となります。収入証明書が必要な本人ではなく、代理人に手続きを頼む場合は、代理人の身分証明書と委任状が必要です。

確定申告書の控えの発行手続きには、保有個人情報開示請求書のほかに、身分証明書が必要となります。確定申告書の控えの発行手続きの際に、身分証明書として使えるのは、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証の被保険者証、外国人登録証明書などです。また、手続きに必要な書類ではありませんが、印鑑と手数料として300円が必要となります。

郵送で発行を依頼する場合

本人が行けない場合や代理申請することもできない場合は、自治体によっては確定申告の控えの発行依頼と同じく所得証明書も郵送での発行依頼も可能ですが、発行された証明書の送付宛先は本人の現住所に限られています。このときの手数料は、定額小為替や現金書留などで支払うことになります。

郵送で発行を依頼する場合には、住民票の写しや、運転免許証やマイナンバーカードの写しが身分証明書として必要となります。住民票やマイナンバーカードの写しには、マイナンバーは必要ないので、マイナンバーが記してある部分までコピーしないように注意しましょう。手数料の300円は、手数料分の印紙を貼っての支払いになります。

事例紹介!収入証明書が必要なケースと対処法は?

事例紹介!収入証明書が必要なケースと対処法は?

日常生活では必要となることがあまりない収入証明書ですが、必要となるケースは、どのような場面でしょうか。それでは、収入証明書が必要になるタイミングについてみていきましょう。

新居を購入する場合

新居の購入や住民ローンを組むタイミングで収入証明書の提出が必要になる場合があります。収入がどれだけあるかによって、住宅ローンの審査が通るかどうかが決まるからです。

高額なローンを組む場合

新居を購入する場合と理由は同じで、金融機関やローン会社で高額なローンを組む際は、収入証明書が必要となります。自動車の購入などで高額なローンを組む際も、収入証明書の提出が求められることがあります。

金融機関やローン会社によって、どこまでの借入金額から収入証明書が必要となるかが違うので、同じ金額のローンでも収入証明書が必要なケースと不要なケースがあります。

結婚相談所に入会する場合

結婚相談所の入会には、さまざまな証明書などの書類の提出が必要となりますが、その提出書類の中に収入証明書があるケースもあります。結婚相手の条件として、どれぐらいの収入があるかを重要な条件としている方もいますから、収入の証明として収入証明書の提出を求めるのでしょう。

結婚する場合

結婚と同時に引越しをして配偶者の被扶養者となる場合は、収入証明書が必要となります。結婚した際に退職していた場合でも、退職した勤務先に給与明細・給与証明書・源泉徴収の発行の依頼が可能です。

保育園に入園する場合

保育園によっては両親の収入証明書が不要な場合もありますが、両親の収入によって保育料が決まる保育園であれば、子どもの保育園への入園手続きのために、両親の収入証明書の提出が求められます。

就労証明書のみ提出を求める場合もあるので、入園前に保育園や役所で確認可能しておくとよいでしょう。

書類の条件をよく確認する

書類の条件をよく確認する

収入証明書という書類は存在しませんが、収入証明書となる書類は多数存在しています。どの書類を収入証明書として使うかによって、発行してもらえる場所も発行の手順も手続きに必要となる書類も違ってきます。

提出が求められるケースによっては、収入証明書として使えない場合もあるので、収入証明書として認められる書類の条件をよく確認し、その条件にもっとも適した書類を収入証明書として使うようにしましょう。