退職時に会社の情報を口外しないなどの約束を得るためにサインを求めるのが退職契約書ですが、退職契約書についてまだ何も知らないという方のために、今回は退職契約書について詳しく解説します。
従業員が退職する際に、会社の機密情報や営業内容、顧客の情報など、会社についての情報を一切外部へ漏らさないと契約してもらう書類を退職契約書と言います。サインをしてもらう事で効力を発揮し、サインをした者が契約内容を破った場合は契約書に基づいて対応する事ができます。
会社を辞めた従業員で、次の職場でついやってしまう行動が
退職契約書を作成していない場合、秘密を外部へ口外されているとわかっていても会社側はできる事がありません。退職契約書を作成する事で、損害賠償の有無を確認し秘密保持について守るという旨をサインで承認してもらう事で上記のようなトラブルを防ぐことが可能です。
退職契約書は必須書類ではありません。秘密保持の内容については口頭で伝える事も可能です。会社によっては退職契約書を作成しない所もあります。口、頭のみで伝えた場合証拠となる物が残らず、万が一会社の機密情報を流されてしまった場合に、対処する事ができません。
トラブルを避けるためにも、退職契約書にサインを頂ける事を確認したら、作成する事をおすすめします。
会社の機密情報を漏らさないと約束しサインをもらい「秘密は守りましょう」と意識してもらう事で、トラブルを避ける事ができ、万が一トラブルが起こってしまった場合でも、損害賠償を請求する事ができます。
退職契約書にサインを請求したとしても、従業員からサインを拒否された場合サインの強要はできません。実際に円満に退社ができなかった社員はサインを拒否されている事例が多くあります。サインするか否かは従業員が決める事ですので、拒否をされた場合は、作成する事ができません。
雇用契約書や契約書に退職後について記載をしていた場合は、退職契約書の作成は特に作成は必要ありません。雇用契約書や契約書に退職後の秘密保持についてなどを記載していなかった場合は、退職契約書を使って、約束をしてもらうようにしましょう。
デメリットでも記載したとおり、円満退職でない場合、サインをしてくれない事がほとんどなので、本来は雇用契約書や契約書に記載しておくことをおすすめします。
必ず必要とはなりませんが、2部作っておく事で証拠品としての力が最大限に発揮されます。1部のみの作成だと、捏造された場合でも、捏造した事実を証明するものがありません。出来る限り、会社側と従業員側で保管できるように2部作成する事をおすすめします。
退職契約書は時に、会社側が違法となってしまうことがあります。法律によって禁止されている事を記載してしまわないように、労働基準法について確認しておく必要があります。
サイトからひな形をダウンロードして使用する際の注意点は、ひな形に書かれている内容をそのまま使用しない、あるいは使用する場合は、内容が詳しく書かれているかをチェックする必要があります。
内容が適当な場合や、具体的でない場合は裁判で法的な効力が認められないケースがあります。そうならないためにも次の通り具体的に記載する必要がありますので、注意してダウンロード・作成をしましょう。
損害賠償金額の設定金額が、あまりにも従業員が不利になる金額の場合、契約書が無効となる可能性があります。
〇年間は同業他社へ転職をしないなど、競業避止義務について法的効力を持たないわけではありませんが、日本国憲法によって職業選択の自由が保障されている為、場合によっては無効となってしまうケースがあります。
退職時に強制的にサインをさせた場合は、無効となってしまうので気を付けましょう。退職契約書は、従業員が契約書にサインをする事に同意をした場合のみ提出できるので、サインをしてもらうためには、円満退職を目指すように心がけましょう。
退職した従業員が契約違反をし、損害賠償請求をした際に「知らない」「払わない」と言われてしまう事があります。その際に、「損害賠償を支払わなければ、○○してやる」「慰謝料を払わないと裁判をしてやる」というような脅迫と取られる内容については絶対にしないでください。
退職契約書を違反した場合に、退職金の不支給・返還請求をする事ができます。ですが、退職金の支払い条件が明らかにされている場合、労働基準法の賃金にあたるため、会社都合での不支給・返還請求は認められません。
あらかじめ、退職金について雇用契約書などに記載している場合でも、退職金の不支給・返還請求をするほどの違反をしたかどうか審査され、認められない場合もあります。