棚卸表は、棚卸をする際に使用する表の事で、棚卸の際には無くてはいけない重要な書類です。商品を扱っている多くの企業で、期末に近づくと「棚卸」という言葉は毎年耳にしているかと思います。
商品を扱っている量が多ければ多いほど、棚卸業務は沢山の時間と労力が必要になってきます。棚卸の基礎知識や、棚卸表の作り方について解説致します。
棚卸表とは、在庫管理表の中の一つで、棚卸をする際に、商品の数量や金額を記入して一覧にするための表です。棚卸表の作成は、税法上、青色申告をしている法人で義務付けられています。
棚卸にはいくつかの目的があり、そのために棚卸表が作成されています。では、どのような目的があるのでしょう。
決算月には、期末棚卸高の計上(在庫の金額の書き出し)をしなければいけません。期末棚卸高の計上は、棚卸をしなければ算出する事ができない為、期末に棚卸を行い、棚卸表にする必要があります。
会社の経営を続けていく上で重要となるのが、利益の把握です。会社の業績を知る事で、今後の対策などを立てる事ができ、経営状態の向上などにも役に立ちます。
棚卸をする事によって、現状の在庫状況を把握する事ができます。在庫は売れればお金が入ってきますが、売れずに残っている状態では利益になりません。そのような状況であるのにも関わらず、同じ商品を同じ頻度で入荷していては、損をする一方です。
そのような状況にならない為には、在庫の状況を知り、売れ残っているものは、売れるまで仕入れをしない、または今後入荷しないなどの対策をして、コストダウンを図る事が大切になります。棚卸は期末のみでは無く、半年に1回や3ヵ月に1回など回数を増やし、在庫の数を定期的に確認する事で、評価損などの節税対策にもつながります。
棚卸には
(1) 実地棚卸
(2)帳簿棚卸
上記の2種類があります。より正確な棚卸表を作成する場合、この2種類の棚卸を行う必要があります。
実地棚卸は、期末日などの一定時点で、実際にある在庫数量を数える事により、在庫数量を確定します。実地棚卸では、在庫数の確定はできるのですが、どのような過程で在庫が存在しているのかという明細を確認する事ができません。
帳簿棚卸は、商品の受け払いをしたその都度、帳簿へ記録する必要があるので、いつでも今ある在庫の数量を把握する事が可能で、継続的に記録する事で、今あるべき在庫数を知る事ができます。
棚卸をする際のポイントをいくつか紹介いたします。
現場監督や総指揮者などの責任者は、あらかじめ決めておき棚卸をスムーズに行えるようにしておきましょう。
棚卸当日までに、責任者の方が、棚卸の対象範囲や、それぞれ(商品別など)の担当者、タイムスケジュールなどを決めておきましょう。棚卸計画書やマニュアルを作成し、それぞれの担当者へ配布しておくと、当日スムーズに棚卸を行う事ができます。
実地棚卸の場合は、基本的に2人1組で行われます。あらかじめペアを組んでおくと、当日ペア決めする時間を短縮する事も出来ます。
違う種類の商品が同じ場所にバラバラで置かれていると、集計時に時間がかかってしまいますよね。棚卸には多くの時間と労力が必要になります。それらを少しでも削減するためには、常日頃、商品の整理整頓をしておくことが大切です。
同じ商品を同じ場所へ集めて保管する、保管する場所を決めておくなどと、集計する方がスムーズに業務を進められるように、保管場所にはあらかじめルールを付けておく事をおすすめします。
棚卸表に必要な項目をご紹介します。
棚卸表には以下の項目の記入が必要になります。
棚卸表を作成する方法には、3つの方法があります。それぞれ在庫数や企業の規模などに合わせて、ピッタリな作成方法を選びましょう!
手書きの棚卸表は、A4用紙に表を作る方法と、文房具屋さんなどで販売されている、棚卸表を作成し、手書き・手計算で管理する方法があります。商品を沢山扱っている会社には向いておらず、在庫を多く抱えない小規模企業であれば、大きな支障がなく使用する事ができます。
棚卸表専用のシステムを導入して管理する方法があります。商品を沢山扱っている企業に向いていて、入力・計算が簡単に行える方法です。大きな企業では、実際に使用している所も少なくありません。システムによっては導入費用が高額になる場合もある点がデメリットとなります。
Excelの棚卸表は、ご自身でExcelに表を作成して管理する方法です。Excelで管理する場合、管理費用を削減する事ができる他、入力・計算も簡単に行う事ができるため、大企業・中小企業ともにおすすめできる管理方法です。
表を作成する知識がない方や、作成する時間がないという方でも、無料でダウンロードする事のできるひな形サイトで、表が出来上がっているひな形をダウンロードして、簡単に使用開始する事ができます。
棚卸と聞くと、少し大変なイメージがありますが、日ごろから商品の整理整頓を行う事で、棚卸当日担当者の時間と労力を少しでも減らす事ができます。棚卸には在庫の受け渡しをその都度記入する帳簿棚卸と、実際に集計して記入する実地棚卸があり、双方を併用する事で、誤差が生じた際の原因をいち早く見つける事ができたり、帳簿の正確性も増します。
棚卸を始めてする方や、コストを最小限に抑えたいという方は、Excelで管理をする事をおすすめします。