和解合意書は、主に債務整理や慰謝料トラブルの示談の際に使用されている文書で、それらにかかわる職業でなければめったに扱う事のない書類です。
作り方や和解合意書がどういった書類なのか、知らないという方は沢山いらっしゃるかと思います。和解合意書の基本的なことや、作り方、作る前に知っておきたい注意点などを解説いたします。
和解合意書とは、相手との何らかの争いを辞める際に、その意思と条件などを提示し、相手もその件に対して合意をしたという事を証明するための書類です。債務整理や慰謝料のトラブルが起きて、和解交渉があった際に使用されている文書ですが、和解を証明するものを必要としている場合はどのシーンでも使用できる文書です。
和解を合意したという事は口頭でも可能ですが、証拠がない分後にトラブルに発展してしまう可能性もあります。和解合意書は、後のトラブルを防ぐためや、裁判の事実関係を判断する証拠とするなどの目的があり、作成する文書です。
互いに和解を証明したい場合は、和解合意書を作成し、証明として保管しておきましょう。
和解合意書を作成する前に、和解合意書についての注意点を把握しておきましょう。
和解合意書に記載する内容は、ケースにより様々ですが、どのようなケースでも内容を曖昧にせず、具体的に記載する事が大切です。合意内容に違反した場合の条項などもしっかりと記載しておきましょう。
和解合意書の内容(重要事項など)の決定権は作成者側にあります。そのため、和解合意書の主導権を相手側に握られてしまうと、自身が希望している内容と異なってしまう可能性もあります。和解合意書の作成は少し面倒ですが、相手任せにはせず自身で主導権を握れるようにしておきましょう。
和解合意書は、一度作成して合意を貰った後に交渉のやり直しは原則禁止されています。和解合意書の内容を安易に考えて作成してしまうと、後に後悔や再請求されてしまう恐れもあります。
和解合意書の作成について不安がある場合は、専門の弁護士へ相談してみる事をおすすめします。
この件に関しての口外をしないようにするために、「むやみやたらに一切口外してはいけない」のような、言葉を使ったとします。むやみやたらに口外してはいけない=正当な理由があれば口外する事ができる。と解釈されてもおかしくない表現です。
口外しないことに関しては「一切口外しない事」でOKです。上記のように、少し日本語が曖昧なだけでも、抜け道ができてしまう為、内容を記入する場合は、しっかりと調べる事をおすすめします。
和解合意書の作り方やポイントをご紹介いたします。
和解合意書の最低限必要な記載事項をそれぞれポイントと一緒にご紹介いたします。
◆表題
表題には「和解合意書」や「示談書」など、和解を合意するための文書とわかるようにしておきましょう。
◆内容
トラブルとなっている事件・事故などの日時や場所について具体的に記載しましょう。
◆謝罪について
謝罪の言葉と承諾、免責などを記載しましょう。
◆合意内容
接近禁止や口外禁止など、今後双方での決まりについて記載しましょう。ここにも具体的な内容を記載して漏れの無いように注意しながら記載しましょう。
◆違反した場合の措置
合意内容に違反があった際に、どのような措置を取るのかを具体的に記載しましょう。(違約金など…)
◆清算条項
内容に合意した場合、和解合意書に記載した内容以外に請求をしない旨を記載しましょう。
◆合意日
和解を合意した日付を記載しましょう。
◆当事者の住所・氏名・捺印
当事者の住所、氏名(署名)、捺印をしましょう。
用紙のサイズや紙の種類(素材)については、決まりが無く自由です。後の保管や証拠資料として提出する事を想定すれば、できればA4サイズが理想です。証拠として残しておく書類ですので、長期間の保存に耐えられない感熱紙などの使用は向いていません。
枚数につきましても決まりはありませんが、数枚ある場合ばらけてしまわないようにホッチキスなどでしっかりと綴じて、ページの間の継ぎ目に割印をしておきましょう。
和解合意書は、当事者全員に保管してもらわなければいけないので、当事者人数分の部数を作成しましょう。
和解合意書をExcelやWordなどで作成する方もいらっしゃるかと思います。ExcelやWordで作成する場合、無料でダウンロードが可能なひな形サイトで簡単にひな形をダウンロードする事ができ、基本的な構成などはあらかじめ記載してあり、あとは、内容を打ち込むのみとなります。
ひな形作成が面倒、難しいという方は、このようなサイトの利用する事をおすすめします!
和解合意書の作成後の一連の流れについて、ご紹介いたします。和解合意書全員分が作れましたら、1部ずつホッチキスなどで綴じましょう。縦の場合は左横に2ヵ所、横の場合は上に2ヵ所ホッチキスで留めておくと、バラバラになる心配もありません。
すべての和解合意書の署名欄に住所、氏名を記入し、捺印をします。この時、ページを開いた継ぎ目に両者の割印も忘れずに行いましょう。原本をすべて重ね、すべてが同一文書だという事を証明するために、割印をします。
以上ですべての工程が完了です。
和解合意書は、双方の和解を証明するために作成する文書です。和解の証明と、今後の決めごとなどを記載するため、しっかりと調べたうえで作成しなければ、和解合意書の用をなしません。
和解合意書を作成する前には、しっかりと調べて、もし不安な面がある場合は、弁護士さんを頼る事も視野に入れて行動しましょう!