主に建設業界で使用される文書で、建設業界以外ではあまり使われる事のない文書なため、出面表について知らない方も沢山いらっしゃるかと思います。出面表は簡単に記入できるものから細かく記入し管理するものまで様々な様式が存在します。細かくすればするほど作成も難しくなるのですが、管理もしやすくなります。
出面表について、どのような目的があって管理をするのか?また、管理のしやすい出面表の作り方などについてご紹介いたします。
出面(でづら・でめん)とは、工事現場に出入りする業者(左官や大工など)のことを指す言葉です。元々は農家で日雇いした人の事を出面さんと呼んでいて、徐々にその言葉が建設業界に浸透していき、現代でも作業員の事を出面と指す建設会社は多く存在しています。
出面表(でづらひょう・でめんひょう)とは、出面の方たちについての出勤簿や報告書の代わりに使われている表です。
その他業界では一般的には、従業員の出勤管理などは出勤簿やタイムカードなどで管理されているのですが、建設業界では出面表が今でも使われている事があります。
建設現場では、現場で何人働いていて、無災害がつづいているのかという記録(無災害記録)を付けているのですが、この記録は毎月会社に報告をしなければいけません。報告をするためには、出面をとる必要があり、それらを記録に残し報告するために出面表が作成されています。
他にも
などの管理をして、必要最低限の人員を雇い、コストカットするためにも、役立てられています。
多くの建設会社では、新人育成のために出面表の管理を新人に任せる事があります。出面を取る事で、当日の作業内容や業務量、工期などを見て、完成までにどのくらいの人員が必要になるかなど、作業の工程を管理する、基礎資料を実感させるためだと言われています。
出面表の管理方法にはいくつかあります。それぞれご紹介いたします。
ExcelやWordなどで管理する方法があります。
なお、ひな形は無料でダウンロードする事のできるひな形サイトを利用する事で、ひな形作成の手間を省くことが出来るので、是非利用してみてください!
出面表専用のシステムを導入し、パソコンやスマホから入力する事ができる便利なシステムも開発されています。
出面表のシステム導入の場合、Excel・Wordに比べて毎月にかかるコストが高くなってしまう点がデメリットとなってしまいます。
もともと出面表は紙で管理されていたため「昔から出面表を紙で管理していた」という方は、PCより紙で管理するほうがやりやすいと感じる方もいらっしゃいます。一枚一枚管理しなければいけないためコストも多くかかり、ファイリングの手間や、保管場所などに困ってしまうため、現代ではPCやスマホで管理している企業が多くなっています。
出面表の作り方について、必要な項目や作成時の注意点などをご紹介いたします。
出面表を管理しやすく作成するには、自社にとっては必要のない項目については省略する事がポイントとなります。必要最低限の項目をご紹介いたします。
シート①では1つの現場に対して、誰が現場へ出勤しているのか、どのような出勤状態なのかを、〇.△などで表現して簡単に管理できるようなシートを作成します。
必要最低限の項目は以下です。
出面表シート②では、①ではない勤怠管理がメインとなります。
1ヶ月の日にちと曜日欄を作成しましょう。
従業員コードがある場合は、コード入力を行いましょう。
従業員氏名をフルネームで記載しましょう。
それぞれの現場名を記入しましょう。
勤怠管理(夜勤や通常勤務など…)と有給取得日数の計算・管理をしやすくするために、これらの情報を記入できるようにしておきましょう。
就業時刻を開始:終了で記入できるようにしましょう。
基本、早出、残業、早朝、深夜などを記入しておくと、従業員の労働管理や給与計算がしやすくなります。
合計時間を記載しましょう。
出面表の①と②は1ヶ月ごとに提出するため、各1枚にまとめて作成する事をおすすめします。
出面表は、出勤簿同様、保存期間は3年となります。最低でも3年間は必ず保管しておきましょう。保存について多く質問があるのが「辞めた従業員の出面表の管理方法」についてですが、たとえ従業員が1日、1ヶ月などの短期間で辞めていたとしても、保存は3年間きちんと行ってください。
自動計算を設定している場合は得に、小さな誤差に気づきにくくなってしまいます。まとめて入力すると入力ミスが発生しやすくなるため、入力は毎日こまめに行い、管理しておくことを心がけましょう。
出面表は昔から使用されていたにも関わらず、知名度はあまり高くありません。出面表は建設現場の安全管理のほか、人員や労働を管理し、少しでも多くのコストをカットするための参考にもなります。出面表を紙で管理している方などは、管理方法をExcelやシステムに変更するだけでも管理がしやすくコストカットにもつながる為、一度利用してみてはいかがでしょうか?