連結検討書(車やトレーラーの牽引車指定認定)の作成方法と計算・依頼をする場合

連結検討書(車やトレーラーの牽引車指定認定)の作成方法と計算・依頼をする場合

連結検討書は世の中にはあまり知られていません。そのため、連結検討書って何?と疑問を持たれる方が沢山いらっしゃいます。連結検討書はトラックや車にトレーラーを連携して走行する際に作成される書類で、この連結検討書を作成しないと、牽引した車を公道で走行させることが出来なくなり、業務や行事に支障をきたしてしまうほど、大切な書類なのです。

連結検討書について、どんな書類なの?作り方や書き方は?などの疑問にお答えいたし、詳しくご説明致します。

連結検討書について

連結検討書とは、車やトレーラーの牽引車指定認定を受けるために作成される書類で、牽引している車を公道で走行するためには、連結検討書を提出し牽引許可を貰わないと走行する事ができません。どんな車で何を引っ張るのか、実際に引っ張る事ができるのかを計算式を要いて証明するために作られる書類です。

連結検討書がないと走行できない例

◆大きなものを車でけん引する場合

海へ遊びに行くため、ボートやジェットを海まで運びたい場合に車で引っ張って走行させる。

◆沢山の荷物を配送先に送る

ビジネス面などで、沢山の物品などをお店に運ぶ際や大きな荷物を運ぶのにそれを入れる大きな箱やコンテナなどをけん引する。

◆キャンピングトレーラーを付けたい

キャンピングカーよりコストも安く購入できるので、購入し旅行に行きたい。

けん引する場面はけん引が必要不可欠な場合が多いです。しかしこれらは、牽引登録がないと走行する事ができません。その牽引登録をする際に必要になる書類が連結検討書となります。

連結検討書を作成するまでに確認しておく事項

連結検討書を作成するまでに確認しておく事項
連結検討書を作成するまでに確認しておく事項

連結を検討する際にチェックされる事が、引っ張る車との適合性です。けん引する車は十分な安全性を持ち、トレーラーを引っ張る事ができるのかを計算式で確かめます。

牽引登録の方法は2つ

牽引登録をする方法は2種類あり、それぞれ注意しておく点があります。どちらの方法で申請するか良く考えて連結検討書を作成する必要があります。

◆けん引する車に牽引登録をする場合

けん引する車を登録した場合は、トレーラーなど引っ張る物の種類が変わっても申請する必要が無く、そのまま走行する事ができます。車検証に記載されている重量以下の場合に限ります。

〔注意点〕

この場合、車検証に牽引登録が残りますので、売りに出す際に査定額が本来の額より下がってしまう可能性があります。

◆けん引されるもの(トレーラーなど)を登録する場合

けん引する車に牽引登録をした場合と違い、けん引する車の車検証には牽引登録の旨は残らない為、査定額に影響はありません。

〔注意点〕

トレーラー側を登録した場合は、トレーラーの車検証に記載された車両以外ではけん引する事ができず、買い替えた場合は再登録をしなければいけません。

行政書士へ依頼も可能

連結検討書は行政書士へ代行作成してもらう事が可能です。しかし、事務所により金額はことなりますが、多少なりとも料金が発生しますので、事前に見積もりを取っておきましょう。

連結検討書の計算方法とは

連結検討書の計算方法とは
連結検討書の計算方法とは

検討に必要な計算は以下となります。これらを計算するには車の【諸元表】が必要となってきます。諸元表はネットでも検索できますが、分からない場合はディーラーへ問い合わせてみましょう。

連結状態での走行性能

けん引状態だと、けん引車の走行性能は下がってしまいます。引っ張っている状態でなお、十分な走行ができるのかを計算式で証明します。

*計算式

・121×エンジン出力-1900 

・4×駆動軸重

この2つの式の計算結果、それぞれの数字よりも連結時の車両総重量が小さいという事を証明します。

連結状態での制動能力

連結状態でも、十分制動能力が発揮できる事を証明します。

*主ブレーキの制御力の計算式

・(けん引する車の車両重量+55)÷2

ここで計算し出た数字より、トレーラーの重量の方が軽いという事を証明します。

*連結時制動停止距離の計算式

牽引車制動停止距離×(牽引車車両重量×牽引する物の総重量)÷牽引車車両総重量

連結時制動停止距離は、保安基準で22mと定められています。この数字を上回っていない事を証明します。

連結検討書の記入方法や申請時に必要な物

連結検討書を提出する人と、連携検討書を作成した人の

・名前

・住所

・電話番号

を記入する欄がある場合は記入しましょう。

作成は代行する事ができ、提出者と異なる場合があります。作成者が違う場合は、作成者の情報を正しく記入しましょう。

けん引車とトレーラーの情報

◆けん引車

けん引車の欄に、それぞれ当てはまる名前や数字を記入していきます。ここで記入する名前や数字は、車検証にも記載がありますのでそちらを参考に記入していきましょう

◆トレーラー

トレーラーの社名や型式など必要な情報をそれぞれ記入していきましょう。

申請時に必要な物

①連結検討書

正しく記入した連結検討書を提出します。提出前に抜けがないか、間違いがないかを確認しておきましょう。

②計算式を記載した計算書

計算式を当てはめたものを提出します。提出する前に、もう一度適正な数字かどうかを確認しておきましょう。

③けん引車の主要諸元表(コピー)

計算式を作成する際に、参考にした諸元表のコピーを提出します。

④各車検証

けん引車は車検証のコピーを提出します。

トレーラーはコピーの必要はありませんが、念のため、コピーを持っておきましょう。

⑤押印

念のため、押印を用意しておきましょう。

以上、5種類が申請時に必要になる書類となります。

自分で計算するのはとても大変

自分で計算するのはとても大変
自分で計算するのはとても大変

簡単に計算式を説明したのですが、例えば、トレーラーがブレーキドラムを使用している場合は、トレーラーの駐車ブレーキ制動能力の証明をしなければいけません。これらの計算式に必要な数字などを探し出すのも一苦労します。

ここでとても役に立つものが、【自動計算】です。無料で自動計算するサイトがいくつかあります。そちらに、必要な数字を入力するだけで、自動計算ができ、検討を無事クリアできるのかを確認する事も出来ます。計算結果は印刷し、提出する事もできるのでとても便利ですよ!