使ってしまう間違いやすい二重敬語について(尊敬語・謙譲語・丁寧語)正しい敬語

使ってしまう間違いやすい二重敬語について(尊敬語・謙譲語・丁寧語)正しい敬語

ビジネスシーンで敬語を使用するのは基本中の基本ですよね。ビジネスシーンだけではなく、知り合い程度の方や年上には敬語を使用するのが日本の古くからの文化です。

「正しい敬語」を知らない方が沢山いるのが現状です。特に「二重敬語」についての正しい知識を知らないかたが多くビジネスシーンでなくても、良く使ってしまう間違った敬語の一つです。

間違いやすい二重敬語と正しい敬語についてご紹介いたしますのでぜひ参考にしてみてください。

二重敬語とは?

二重敬語とは?
二重敬語とは?

二重敬語とは、敬語が重複している言葉のことを言います。敬語には大きく分けて尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類が存在します。良く使われている「〇〇なられる」という言葉ですが、これは尊敬語+尊敬語が重複されている「二重敬語」に当てはまり、間違った敬語です。

尊敬語と謙譲語の区別が付かない方にとっては、少し難しい問題ですよね。これらの違いが分かっている方でも、間違えてしまう方も多いほど敬語は難しい日本語なのです。

尊敬語とは?

目上や自分より立場が上の方を敬い、立てる気持ちを表す敬語のことを尊敬語といいます。「〇〇がおっしゃった通り…」などビジネスシーンでよく使われる目上で他人の方が主語になります。

例えば

  • する:なさる・される
  • 言う:おっしゃる・言われる
  • 行く/来る:いらっしゃる・おいでになる
  • 来る:見える・お越しになる
  • 知る:お知りになる・ご存知
  • 食べる:召し上がる・おあがりになる
  • 見る:ご覧になる
  • 聞く:お聞きになる
  • 座る:お掛けになる
  • 会う:会われる
  • 分かる:ご理解いただく
  • 読む:お読みになる
  • 受け取る:お受け取りになる
  • 利用する:ご利用になる
  • 思う:お思いになる
  • 買う:お求めになる・お買いになる
  • 考える:ご考察なさる・お考えになる
  • 帰る:お帰りになる・帰られる
  • 会社:貴社・御社

などが尊敬語となります。

謙譲語とは?

自分がへりくだり、相手を立てて敬意を表す敬語のことを謙譲語といいます。「今から〇〇(そちら)へ伺います」など、主に家族や親戚などの身内が主語になります。

例えば

  • 言う:申し上げる・申す
  • 行く:うかがう・参る
  • 来る:伺う・参る
  • 知る:存じ上げる・承知する・存じる
  • 食べる:いただく・頂戴する
  • いる:おる
  • 見る:拝見する
  • 聞く:拝聴する・うかがう
  • 座る:座らせていただく・おすわりする
  • 会う:お目にかかる
  • 伝える:申し伝える
  • 分かる:かしこまる・承知する
  • 読む:拝読する
  • 与える:差し上げる
  • 受け取る:賜る・頂戴する・拝受する
  • 利用する:利用させていただく
  • 思う:存じる・拝察する
  • 買う:買わせていただく
  • 考える:拝察する・検討いたします
  • 帰る:おいとまする
  • 会社:弊社

などが謙譲語となります。

丁寧語とは?

丁寧語は誰に対しても使用できる敬語で「〇〇です」「〇〇ます」や「ご〇〇」「お〇〇」など言葉の先頭に「ご」や「お」を付けた丁寧な言い回しになります。

  • 言う:言います
  • 行く:行きます
  • 来る:来ます
  • 知る:知っています
  • 食べる:食べます
  • いる:います
  • 見る:見ます
  • 聞く:聞きます
  • 座る:座ります
  • 会う:会います
  • 伝える:伝えます
  • 分かる:わかりました
  • 読む:読みます
  • 与える:あげます
  • 受け取る:受け取ります
  • 利用する:利用します
  • 思う:思います
  • 買う:買います
  • 考える:考えます
  • 帰る:帰ります

などが丁寧語になります。

よくある間違い敬語と正しい敬語

よくある間違い敬語と正しい敬語
よくある間違い敬語と正しい敬語

よくある間違いを正しい敬語に直して紹介いたします。

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

〇〇さんが挨拶文をお書きになられる

【○:正しい敬語】

〇〇さんが挨拶文をお書きになる

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

社長がご覧になられました

【○:正しい敬語】

社長がご覧になりました(見られました)

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

〇〇をお聞きになられましたか

【○:正しい敬語】

〇〇についてお聞きになりましたか

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

おっしゃられるとおりです

【○:正しい敬語】

おっしゃるとおりです

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

うかがわせていただきます

【○:正しい敬語】

うかがいます

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

拝見させていただきました

【○:正しい敬語】

拝見しました

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

〇〇をお承りました

【○:正しい敬語】

〇〇を承りました(お受けしました)

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

食事を用意されてください

【○:正しい敬語】

食事をご用意ください

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

どちら様でしょうか

【○:正しい敬語】

お名前を伺ってもよろしいでしょうか

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

了解しました

【○:正しい敬語】

承知しました・かしこまりました

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

しばらくお待ち下さいませ

【○:正しい敬語】

少々お待ち下さい

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

〇〇にお伝えしておきます

【○:正しい敬語】

〇〇に申し伝えます

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

ぜひこの機会に〇〇してください

【○:正しい敬語】

ぜひこの機会に〇〇ください

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【×:間違った敬語(二重敬語)】

ご苦労さまです

【○:正しい敬語】

お疲れさまです

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よくある間違いが【~られる】【~られた】を語尾に付けることで、二重敬語になってしまう事です。【お書きになられる】ですが、【お~なる】が尊敬語になりますがそこに尊敬語である【られる】を重ねると二重敬語ですよね。

少々難しいのですが、【~られる】【~られた】という言葉を語尾に付ける際は、二重敬語になっていないか細心の注意が必要で、極力使用しないのが良いでしょう。

敬称の二重敬語にも気をつけよう

敬称とは

  • 社長
  • 専務
  • 常務
  • 部長
  • 課長

など、役職の事を言います。敬称には、敬称自体に「うやまい」が含まれているので、これに「様」「殿」などを付けてしまうのは、二重敬語になるためNGです。

これらの敬称を使用する場合は、何も付けずに「〇〇社長」「〇〇専務」などとしましょう。「関係者各位様」もよくある間違いです。この場合でも「様」は必要ありません。

正しい敬語をマスターしよう

正しい敬語をマスターしよう
正しい敬語をマスターしよう

二重敬語でとくに多い間違いが【~られる】【~られた】の使用です。これらは尊敬語にあたりますので、この文書の前に尊敬語が来ると二重敬語になってしまいます。

ビジネスシーンでは知らないと恥をかいてしまう事もたくさんあります。その中の一つが「正しい敬語について」です。間違えた敬語を使ってしまうと、失礼に当たることもありますので今のうちに敬語をマスターしておきましょう.