公共工事の入札を行う場合、入札金額とその内訳を記載した「工事内訳書」という書類を提出する事が義務化されており、提出しなければお仕事を入札する事ができません。
この書類については、建設業界では頻繁に作成されている書類となりますが、一般的にはあまり知られていないので、名前だけ聞いてもピンとこない方が多いかと思います。
建設工事などの入札時に提出が義務化されている工事内訳書について詳しくご紹介いたしますので、今から開業を予定している方や、建設業界へ就職した方は是非参考にしてください。
工事に関わる、それぞれの費用の内訳を記載する書類を工事内訳書と言います。この書類は、仕事の入札をする際にも必要となる大切な書類です。
記載ミスがあれば、入札無効となってしまう場合もありますので、作成する際には記入漏れやミスがないかなど十分に気を付けて書類作成を行う必要があります。
競争入札へ参加する業者は「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の規定によって、必ず工事内訳書の提出が義務付けられています。この書類がないと、お仕事を受ける事ができません。
工事内訳書は入札時に必ず必要な書類ですが、作成した後書類に不備があると入札無効となってしまう為、工事内容など必要な項目や入札、作り方について十分に理解しておく必要があります。
通常電子入札案件は、紙入札で参加する事はできません。やむをえない事情がある場合は、紙入札を許可する場合があります。紙入札が許可された場合、工事内訳書のひな形を入手する必要があります。
【紙入札が許可される例】
パソコンが故障し動かなくなってしまいやむをえず紙入札をする場合、PCの故障の現状(事情)が把握できるものを提出すると、紙入札が許可される事があります。※場合によっては認められない場合もあります。
ICカードを再発行しその間に申請が必要な場合は、認証局へのICカード発行申請書の写しなどを提出すると認定される場合があります。
その他電子入札ができない事情はいろいろある為、発注機関へ「紙入札方式参加申請書」を提出し、承認を得ましょう。
用紙サイズはA4です。向きに関しましては、規定がありませんので、縦・横どちらでもかまいません。
日付は、入札の開札日ではなく、提出年月日を記入してください。
タイトルは、原則「工事費内訳書」とし、見積書などにはしないようにしましょう。
代表者は、継続的に委任している支店長や営業所長なども含まれます。発注者と提出者が違う場合は、発注者・提出者それぞれの記入が必要です。
工事の内容に詳しく答えられる方の情報を記入してください。
工事名と、工事の住所を記載しましょう。
内訳は、3段階のレベルまで必要とし、工事に係る設計書(金抜き)の各項目の項目名、単位、数量、金額を記載しましょう。
入札無効となってしまうとお仕事を受ける事ができません。どのような事が原因となり、入札が無効となってしまうのか注意点について理解しておきましょう。
工事内訳書は提出期限までに必ず提出しましょう。万が一遅れてしまった場合は入札無効となってしまいますので期限について忘れずにチェックする必要があります。
市が示した工事数量総括表(見積参考資料)と記載内容が一致しない場合工事数量総括表と、工事費内訳書の記載内容が一致しない場合、無効となってしまいます。
よくある記載ミスで、工事数量総括表には「一式」と表示していない項目で工事内訳表に「一式」と表記してしまう場合や、値引き項目を作成してしまう場合などがあります。
施工上必要な項目が工事数量総括表に無い場合は、勝手に記載せず、質問を提出する必要があります。
掛け算・足し算などの計算が正しくされていない場合は、無効となってしまいます。計算は何度か確認しておきましょう。
数量×単価で算出された金額について、1円未満の場合端数処理が認められますが、各項目の端数の切り捨てや切り上げは認められていません。
入札名と工事名が一致していない場合や、合計額が入札額と一致していない場合など、基本的な情報が無記入であったり、間違っている場合でも無効となってしまいます。
よくある間違い例としては「工事名の漢字間違い」「単位の間違い」があります。間違えやすいので、作成後の確認は数人でチェックするなど慎重に行いましょう。
入札書に記載する日付は必ず入札書受付期間内の日付を記入しましょう。受付期間外の日付を記載した場合は、無効となってしまいます。
なども入札無効事項に当てはまりますので気を付けましょう。
工事内訳書の様式については特に決まっておらず、自由ですが必須記載項目にある内容は必ず記載して提出するようにしましょう。抜けている場合は、無効となってしまいますので注意しましょう。
紙入札の場合、原則持参となっており、郵便での入札はできません。
辞退届は郵送での提出は可能ですが、入札書の受付締め切り日時までに到着するように手配をしましょう。間に合わない場合は、持参しましょう。
代表者以外の者が紙入札書を持参する事は可能ですが、その場合は委任状が必要になります。
紙入札で参加の場合は、入札書と工事費内訳書に代表者の氏名と押印が必要となりますので、用意しておきましょう。
一度提出した入札書と工事内訳表は差し戻しが認められていません。内容に不備などがあった場合、入札無効となってしまう為、提出前に一通りミスが無いかをチェックして、正しい書類を提出しましょう。
工事内訳書は様式が特に決まっていません。無料でダウンロードが出来るテンプレート・ひな形サイトなどもあり簡単にダウンロードし使用する事ができますのでチェックしてみてください。