パワハラの判断基準とは?パワハラの定義やパワハラになる発言の例文をチェック

パワハラの判断基準とは?パワハラの定義やパワハラになる発言の例文をチェック

鬱病や過労死など、大きな問題に発展することもあるパワハラは、本人はパワハラをしているつもりがなくても、相手からするとパワハラと感じられてしまうこともあります。

近年では、パワハラについての研修があるほどしっかりと指導がされるようになっていますが、それでもゼロになることはありません。

パワハラの定義を知らない・自分の行動がパワハラと気づかない方がまだまだ多いという事が1つの理由に挙げられています。具体的にパワハラの定義について、そして良くあるパワハラ発言となる例文をご紹介いたします。

パワハラとは?

パワハラとは?
パワハラとは?

パワハラはパワーハラスメントを略された言葉で、簡潔に言うと【同じ職場で働いている方に対して、精神的・身体的に相手へ苦痛を与える事】です。

どのような形でも、相手に苦痛を与えることは【パワハラ】にあたる可能性がありますので、お互い接し方には気をつけなければいけません。

パワハラには罰則がない

現代ではパワハラ防止法に違反したところで、罰則がないという事が現状です。パワハラを見て見ぬ振りをするのもNGです。パワハラによる自殺についていくつか報道があったように、相手の命にもかかわる重大な問題となります。

もちろんニュースにならなかったとしても、地元では会社のパワハラについて噂が立つことでしょう。大切な従業員を守るため、そして会社を守るためにも罰則がないからといって見過ごすことはしないで、パワハラが発生する前に対策措置を取りましょう。

パワハラの判断基準について

パワハラには、明確な線引がないため難しい問題でもありますが、わかりやすいパワハラの基準でわかりやすいのが、【合理性の有無】です。

  • 必要以上の叱責
  • プライベートの詮索

など、明らかに問題行為とみなされる事や、業務の成績や向上に直結しない行為はパワハラと判断される可能性が高いと言われています。

反対に

  • これからに期待をして少々レベルの高い仕事を任せた
  • その人の能力に合っていないと判断し、業務量を少々落とした

などは、合理性が認められているためパワハラと判断される可能性は低いと言われています。

会社では立場に寄って権限が与えられています。指導や指揮、監督などの行為が相手に対して不満を感じていたとしても【業務の適正範囲内】であれば、パワハラと判断される事はありません。

パワハラの定義について

パワハラの定義について
パワハラの定義について

厚生労働省では、パワハラの定義を【職場で働くものにたいして、業務上の地位・人間関係などの職場での優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的に苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為】としています。

パワハラのイメージでは「上司が部下に対して嫌がらせをする」というイメージが大きいですが、部下から上司や同僚同士など職場でのいろいろな関係で成立します。

パワハラには以下の6つの種類があります。

  • 身体的攻撃
  • 精神的攻撃
  • 人間関係の切り離し型
  • 過大要求型
  • 過小要求型
  • 個の侵害型

中には「こんなこともパワハラになるの?」と人によって感じ方が違うこともあります。この感じ方の違いで知らずにパワハラをしていた!なんてことも少なくはありません。以下にてそれぞれ詳しく解説いたします。

パワハラ:身体的攻撃について

相手の体に危害を加える行為(蹴る・殴るなど…)はもちろんパワハラにあたります。自分の行動が身体的攻撃に当てはまっていないかどうかチェックしながら見てみてください!

  • 髪の毛を掴んで引っ張った
  • 書類で相手の頭や体を叩く
  • 胸ぐらを掴む
  • 周囲の「物」を投げつけられた(体に当たらなかったとしてもNG)
  • 「物」に当たられた。(机を蹴るなど)

パワハラ:精神的攻撃

パワハラ被害の中でも多いのが精神的な攻撃です。脅し・暴言・侮辱・名誉棄損などの発言は相手に精神的なダメージを与えることになりますので、パワハラに当てはまります。言葉だけではなくSNSやメールなど文章でも同じです。

  • 「バカ」「アホ」など、周りに人がいる前で毎日のように叱る
  • 「何もできないね」「小学生でもできること」「〇〇のほうができている」などの侮辱する言葉
  • 小馬鹿にする態度を取り続ける
  • 同じ事について何時間も繰り返し叱責する
  • ミスによる罰則を長時間に渡り命じる

パワハラ:人間関係の切り離し型

人間関係の切り離しとは、分かりやすく言うと「無視」や「仲間はずれ」などで、相手を孤立させる行為のことを言います。

  • 会社のイベントに1人だけ声をかけない
  • 意にそぐわない発言をしただけで、メンバーから外す
  • 話しかけても無視をする
  • 「あの人と関わらないで」と周りに言い、集団無視をする
  • 全員に回すべき情報を1人だけ回さない

パワハラ:過大要求と過小要求

過大要求=明らかに1人で遂行ができない仕事、長時間労働が必須となる仕事量を強いるなどの過大な要求をすること

  • 「明日までに終わらせろ」「終わるまで帰るな」と1人では無理な仕事量を強いる
  • 「任せた仕事も終わらせてないのに」と残業や休日出勤を強いる
  • 過度なノルマを課せる
  • 花見の席取りに休日の朝から場所取りをさせる

過小要求=仕事を与えない、能力とかけ離れている仕事を命じるなど過小な要求をすること

  • 営業担当なのに、いつまで経っても現場に出してもらえず、電話番などを任す
  • 仕事を全く与えない。

パワハラ:個の侵害

社員のプライバシーを侵害することを「個の侵害」といいます。

  • 有給休暇の申請理由に「誰とどこに」や「誰と何を」など具体的な報告を強いる
  • 個人のスマホを勝手に見る
  • 就業時間外に何度も電話をかけてくる
  • 業務に関係のないメールに返信を強いる
  • 会社のイベント(休日に開催される)に強制的に参加するように強いる
  • プライベートの情報をしつこく聞く(家族や友人関係、恋人の有無など)

よくあるパワハラ発言の例文について

普段何気なく使っている言葉の中にも、パワハラと判断される発言があるかもしれません。ここでは、パワハラと気づかずによく使われている言葉を紹介します。

  • お前は楽でいいな
  • ゆとり(ゆとり世代)
  • 妊婦さん
  • 反省してるの?
  • 何回言ったら分かるんだ・何回教えたら分かるんだ
  • 死ぬ気でやれ
  • お前は成長が遅い
  • 社会人としての常識
  • 他社でもそんなことは通用しない
  • 契約が取れるまで帰ってくるな
  • 責任が取れますか?
  • お前のせいで〇〇
  • 〇〇からやり直せ
  • もう帰るの?
  • 仕事をしているフリをするな
  • お昼ごはん買ってきて
  • これ常識だよ
  • やる気はあるの?
  • 頭大丈夫?
  • 次ミスをしたら〇〇
  • 女だから〇〇
  • 前も言ったよね?

これ以外にも、人格を否定するような言葉や侮辱するような言葉であればすべてパワハラに当たります。中でも「お前」や「妊婦」など普段何気なく使っている言葉でも会社ではパワハラと言われてしまう言葉ですので、注意が必要です。

周りに相談して泣き寝入りしない

周りに相談して泣き寝入りしない
周りに相談して泣き寝入りしない

「これってパワハラでは?」と感じたら、必ず周りに相談するようにしましょう。泣き寝入りは絶対にしない事が大切です。社内の窓口や人事などに相談をすれば、改善に尽くしてくれるはずです。

社内に自分の現在の状況が知られてしまう可能性もあるので、いやだという方は警察や総合労働相談などの「公的機関」に相談することをおすすめします。

悪気が無くても「パワハラ」と判断される言葉は沢山あります。自分を守るためにも会社では特に自分の発言には気をつけるように心がけましょう!