ビジネスシーンでは必ずと行っても過言では無いほど、ハンコが日常的に使用されています。電子化が進んでいて、電子印鑑が使用されている会社も増えつつある現代でも、印鑑などのハンコを押す機会はまだまだ多いです。
普段何気なしに押しているハンコですが、実はハンコにもマナーが存在しています。一部の企業では「お辞儀ハンコ」という上司に対するマナーが徹底されている会社もありますので、しっかりとハンコについてのマナーを身に着けておきましょう。
ハンコのビジネスマナーについてご紹介いたします。
ビジネスシーンで使用されるハンコは主に次の4種になります。
丸印は契約書や官公庁に届ける書類に押される会社の実印です。
角印は、請求書や注文書、納品書などビジネス文書全般に押される法人の認印。
ゴム印は、会社で使用されている封筒やその他のビジネス文書で使用される、住所や会社名、電話番号などが書かれたハンコです。
認印は「確認しました」「了承しました」などということを表すために使用されることが多いです。認印は会社のハンコの中でも頻繁に使用されています。
請求書の場合、一人の人が作成してそのまま相手へ提示するよりも、複数人が確認することで、請求書を確かに作成しているという確認や、請求漏れやミスなどを大幅に減らすことが目的とされています。
請求書や見積書などビジネス文書にハンコを求められる理由は、上記でもお話したとおり「確認したました」「了承しました」ということをハンコで証明するために求められています。
こうすることによって、偽造などのトラブルを防ぎ、それぞれの書類の信頼性を増すためでもあります。
多くの会社で認印のハンコが必要とされている書類は
などのビジネス文書です。実は、ビジネス文書に対して必要とされているハンコは、法的に明確に定義されているわけではありません。
ハンコがなくても正式な「請求書」や「見積書」として、相手に提示することは可能です。多くの会社では考えられる様々なトラブルを避けるためにも、確認用としてハンコが必要とされています。
ビジネス文書などに押されるハンコには、法的効果はありません。「証拠」として主張することは可能です。
「この請求書は偽造なのではないか?」と聞かれた時に、認印として数人のハンコが押してある場合、それぞれの方に事実確認をすることもできますし、「目を通してハンコを押したので偽造ではありません」と主張することができます。
毎日なんとなく押しているハンコですが、細かいビジネスマナーが存在しています。それでは具体的にどのようなマナーがあるのか見ていきましょう。
会社で使用するハンコ(認印)は基本的に、部下が上司よりも大きいサイズの印鑑を使用するのはマナー違反だとされています。一般的な認印のサイズは10.5mm~12.0mmです。
あなたが何の役職にも付いていないのであれば、10.5mmを選ぶようにしましょう。
会社で使える認印の書体は
上記の4種類です。この中でも古印体は日本独自の書体で、文字の腺の強弱や欠けなどもあり、偽造リスクも低いためおすすめです。認印として使用するのであれば楷書体や行書体が一般的によく使われています。
ハンコを押すときは以下のような点に注意して押しましょう。
ハンコの見え方などが仕事に影響するわけではありませんが、雑に押されていると、相手には良い印象を与えません。上司にお辞儀をするようにハンコを押す「お辞儀ハンコ」は、会社でそういった習性がない場合は「雑にハンコを押している」と思われてしまうので注意しましょう。
お辞儀ハンコとは、上司に出す書類などに押すハンコの押し方のことを言います。ハンコは本来真っ直ぐ、丁寧に押すことがきれいなハンコの押し方とされていますが、お辞儀ハンコはまるで部下が上司に対してお辞儀をしているかのようにハンコ押すという、あまり多くは知られていないマナーです。
具体的には、上司のハンコに向かって左斜めに傾けてハンコを押します。実際にお辞儀ハンコを徹底するようにされている会社は現代では数少ないようですが、今でも一部の会社ではルールで決められている企業もあります。
ビジネスマナーの中でも厳しい身だしなみや言葉遣いのマナーのように、一般常識とされているマナーでは無いため、知っている方も少ないようです。
お辞儀ハンコは、あくまで上司に敬意を表すために傾けるためであるため、社外へ出す書類にお辞儀ハンコは不適切です。見た目もよくありませんので、社外に出す書類に押すハンコは丁寧に真っ直ぐ押すように心がけましょう。
ビジネスシーンで使用するハンコは、とにかく「丁寧に」「まっすぐ」押すことが基本的なマナーです。会社によってはお辞儀ハンコをルールとしている会社もあります。
その場合は、社内向けの書類のハンコを押す時に、上司にお辞儀をしているように傾けて押すように心がけましょう。お辞儀ハンコをルールとしている会社だったとしても、社外に向けて提出する書類にはまっすぐと丁寧に押すように心がけましょう。