ビジネスメールの基本マナーと正しい書き方、言葉遣い(敬語)について解説

ビジネスメールの基本マナーと正しい書き方、言葉遣い(敬語)について解説

ビジネスシーンでは、メールのやり取りが増えてきています。正しいビジネスメールのマナーと言葉遣いを学んで、相手からの信頼を得る必要があります。

正しいビジネスメールのマナーと、正しい言葉遣いについてご紹介いたしますので、おさらいの意味でも今一度チェックしてみてください。

ビジネスメールは「証拠」として残る

多くの会社では、やり取りをしているメールのデータを消される事がありません。ずっと残ってしまう「証拠品」となります。正しいメールのマナーや言葉遣いができていない事実を、ずっと残されていることになります。

恥ずかしい思いをしないためにも、そして何より会社と個人の評価を下げてしまわないためにも、できるだけマナーについて、正しい言葉遣いについて勉強をしておきましょう。

ビジネスメールの基本的なマナー

ビジネスメールの基本的なマナー
ビジネスメールの基本的なマナー

ビジネスメールの基本的なマナーは下記のとおりです。

件名

毎日たくさんメールが届く会社もあります。相手にすぐに要件が伝わるよう、ビジネスメールでは、件名を必ず書くようにしましょう。件名の内容は、メールの内容を簡潔にした20文字以内で収めるように心がけましょう。

「○年○月分 請求書の送付」や「○月○日〇〇会議のお知らせ」など。

宛名を書いてから挨拶を書く

宛名を書いてから挨拶を書く
宛名を書いてから挨拶を書く

本文に入る前に、誰宛にメールを送っているのか分かるようにメールの始まりに宛名を書きましょう。

【例文】

「〇〇会社

〇〇部(部署名) 〇〇(役職名) 〇〇 〇〇様

いつも大変お世話になっております。

〇〇会社の〇〇です。」

複数名に送る場合は、必ず役職順で名前を書くようにしましょう。会社や部署の全体に送る場合は「〇〇会社 〇〇部 各位」複数の取引先に送る場合は「お取引先 各位」のように「各位」を使用して送るようにしましょう。

相手の会社に株式会社や有限会社が付いている場合、㈱・㈲などと略さずに、正式名称で書くようにしましょう。

挨拶は2回目以上取引が続いている会社には「お世話になっております」長く取引がある会社には「いつも大変お世話になっております」初めて相手にメールを送る場合は「突然のご連絡失礼いたします」と始めましょう。

本文は具体的かつ簡潔に

本文が長くなってしまうと、読む方も疲れてしまう他、見落としが発生することもあります。「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」「いくらで」を意識して書くと、正確な情報を伝えやすいです。

伝える内容が多い場合は、箇条書きにして伝えると伝わりやすいですよ。

結びの言葉と署名

本文が終わったことをわかりやすく伝えるために、結びの言葉を書きましょう。結びの言葉は「何卒よろしくお願いいたします」や「お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」

返信が必要な場合は「お忙しいところ恐れ入りますが、ご返事いただければ幸いです。」などと、回答を促す言葉を入れておくと良いでしょう。ビジネスメールには必ず署名を入れておきましょう。

署名に必要な情報は以下のとおりです。

1.会社名・部署名・氏名

2.住所

3.電話番号・FAX番号

4.メールアドレス

5.Webサイト名とURL(あれば)

実は間違っている言葉遣い

普段当たり前の様に使っている言葉遣いの中でも、よくある間違いをご紹介いたします。

【正しい○】 わたしが担当いたします

【詳  細】 「~のほう」は日本語として間違っています。

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【間違い×】 存じ上げております

【正しい○】 存じております

【詳  細】 「〇〇様について存じ上げております」のように、人に対して使うのであれば間違いではありませんが、人以外に対しては使わない表現です。例えば「御社については存じ上げております」はNGです。

————

【間違い×】 〇〇になります

【正しい○】 〇〇でございます

【詳  細】 「〇〇になります」は敬語ではありません。

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【間違い×】 各位様

【正しい○】 〇〇各位

【詳  細】 各位=皆さまを意味するので、「様」はつけなくても良いです。

————

【間違い×】 お名前をちょうだいしてもよろしいでしょうか

【正しい○】 お名前お伺いしてもよろしいでしょうか

【詳  細】 頂戴=「もらう」(あなたのお名前をもらう)という意味になるので、正しい日本語ではありません。

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【間違い×】 とんでもございません

【正しい○】 (いいえ)とんでもないです・とんでもないことです

【詳  細】 厳密には正しい敬語ではありません。

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【間違い×】 今お時間よろしかったでしょうか

【正しい○】 今お時間頂いてもよろしいですか?

【詳  細】 「よろしかった」は過去形です。今のことを聞くのであれば、間違いです。

よくあるビジネスメールでの敬語間違い【二重敬語】

【〇】おっしゃられる通り

【×】おっしゃる通り

—–

【〇】お体をご自愛くださいませ

【×】ご自愛くださいませ

—–

【〇】ご覧になられる

【×】ご覧になる

—–

【〇】どうぞお召し上がりください

【×】どうぞ召し上がってください

—–

【〇】〇〇様がお越しになられました

【×】〇〇様がお越しになりました

よくある敬語の間違いで「~られる」という言葉遣いがあります。この「~られる」という言葉は尊敬語として使われる言葉ですので、この言葉の前に来る言葉によっては、二重敬語になってしまいます。

「×ご覧になられる」ですが、「ご覧」と「られる」が尊敬語ですので、二重敬語という事になります。この間違いはよくあるため、覚えておきましょう。

よくあるビジネスメールでの敬語間違い【失礼な言葉や表現】

目上の方やお客様(取引先)に使うと失礼に当たる言葉をご紹介いたします。

【間違い×】 ご苦労さまです

【正しい○】 お疲れさまです

【詳  細】 「ご苦労さまです」は、目上の方が目下の方へ使う言葉

————

【間違い×】 了解しました

【正しい○】 承知いたしました/かしこまりました

【詳  細】 「了解しました」は敬意のない表現

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【間違い×】 しばらくぶり

【正しい○】 お久しぶりです/ご無沙汰しておりました

【詳  細】 「しばらくぶり」は目下に使う言葉

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【間違い×】 お世話様です

【正しい○】 おせわになっております

【詳  細】 「お世話様」は目上に対して使うべきではない言葉です

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【間違い×】 ご一緒させてください

【正しい○】 お供させていただきます

【詳  細】 ご一緒=目上の人には使うべきではない言葉です

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【間違い×】 参考になりました

【正しい○】 勉強になりました

【詳  細】 参考=自分の考えを決める時の「足し」にするという意味があるので、失礼にあたります

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【間違い×】 すいません

【正しい○】 申し訳ございません/ありがとうございます

【詳  細】 「すいません」「すみません」は目上の人に対して使うべきではない言葉です

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【間違い×】 なるほど(ですね)

【正しい○】 おっしゃるとおりです

【詳  細】 「なるほど」は目上の方が目下の方へ使う言葉

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【間違い×】 わが社

【正しい○】 弊社/当社

【詳  細】 偉そうな印象を与えてしまう可能性がある

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【間違い×】 おわかりいただけたでしょうか

【正しい○】 ご理解いただけたでしょうか

【詳  細】 おわかりいただけたでしょうか=「わかりましたか」という意味になるので、目上の方へ使うのは失礼な言葉

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【間違い×】 どうしましょうか

【正しい○】 いかがいたしますか

【詳  細】 「どうする」は敬意が示されていない言葉なので失礼にあたります

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【間違い×】 〇〇させていただきます

【正しい○】 〇〇しております

【詳  細】 相手が頼んだわけでもないのに「させていただきます」は不適切です。

「ら」抜き言葉には注意して

「ら」抜き言葉とは、見れる・喋れる・出れる・来れるなど、「ら」を抜いた言葉を言います。本来は「見られる」「喋られる」「出られる」「来られる」が正しい表現です。基本的な日本語ですので、「ら」抜き言葉になってしまわないように注意してメールを書きましょう!

以下のような言葉には「ら」を入れないのが正しいので注意しましょう。

  • 断る
  • 走る
  • 滑る

など…。

送信する前にかならず見直す

送信する前にかならず見直す
送信する前にかならず見直す

いつも何気なく使っていた敬語でも、実は間違っていたということは誰にもあり得るお話です。丁寧な対応を意識しすぎると、二重敬語や間違った表現になってしまいがちですので、気をつけましょう!

メールは、おかしな点は無いか送信する前にかならず見直して送るようにしましょうね。