会社に勤めていれば、出張をすることもあるでしょう。配属先によっては、1年のほとんどをいろいろなところに出張して過ごす場合もあるほどです。その際、会社の規模によって、出張伺い書の提出が不要な場合もあるようですが、基本的には提出が必要なものだと思っておいた方がいいでしょう。
出張が必要かどうかを見極めるためにも提出させることが多いからです。その、出張伺い書とは、一体どういった内容のものなのでしょうか。詳しく解説していきます。
出張伺い書とは、簡単にいうと、出張の目的や経費、日数などを伝える書面になります。具体的には、
ということを伝えるための書類になります。出張伺い書を提出することで、本当に出張が必要なのかという見極めもできるので、経費削減に貢献できるようです。
出張する際、必ず何かしら目的がなければ、会社側にとって経費ばかりが増えてしまい、損益につながってしまいます。つまり、出張伺い書とは、出張の趣旨や目的、交通費、宿泊費等、スケジュールを前もってお知らせして提出する書類になります。
会社によっては、形式が決まっている場合があります。その場合は、形式通り記入していけばよいでしょう。出張伺い書を提出することで、上司や会社側がスケジュールに問題がないか、趣旨などに穴がないかを前もって知ってくれるうえに相談もできます。
出張先での仕事を無駄なく有意義に過ごすことができる狙いがあります。上司からのアドバイスをもらいやすいように、明確に記載して提出することで、よりスムーズに出張先で仕事をすることが可能になります。
出張伺い書で記載すべき項目は、下記のとおりです。
1.出張日と出張先の概要を記載
2.出張の目的、主旨について
3.出張期間・行動予定・スケジュールの明記
4.出張費用(宿泊費・交通費・接待費等)
以上の4点を明確に明記することが重要です。簡潔に必要事項を書くことで、上司にも伝わりやすくなります。
訪問先の会社の情報を明記します。どのような会社に何をしに行くのか。そこの会社でどのような仕事をするのかを明記します。いつ・どこで・だれが・何を・どのように、という内容を、記入するようにすると、要点がまとまってより伝わりやすくなります。
出張の目的はさまざまです。必ず、目的や主旨は明確に記載しましょう。まず、顧客訪問・会議・打ち合わせ・商談などの、目的をしっかりと明記します。
経緯や理由も添えて詳しく書いていくことが必要になります。そして、主旨を明記します。出張の目的は何なのか、その後反省点が出てきた場合に目的は達成できたのか、そもそも問題点は何かということを明確にしておくとよいでしょう。
出張期間は、出張の出発日と出発時刻、そして、帰着日と帰着予定時刻を記載します。出発時刻や帰着時刻を記載する目的は、会社によっては旅費規定に別途加算支給項目として設定している場合があるためです。
朝5時に家を出発しないと出張先に間に合わない場合、普段7時に家を出れば会社に間に合うのであれば、出張中は移動中ではあるものの、いつもより2時間早く出社しているため2時間拘束時間が長いと考えることが可能になります。
始業時間よりも〇〇時間前に出発時刻を迎える場合は、日当を○○円プラスするなどの規定が設定されている場合があります。いずれにせよ、総務課または上司に一度確認されることをおすすめします。
行動予定は、出張先で訪問する会社名・住所・連絡先を明記します。これは、出張に際し、不慮の事故や、担当者に連絡がつかない場合などに備えて、必ず項目を設置し、連絡先を記入するようにしておく必要があります。
出張費用 合計 ○○円
(内訳 往復の交通費○○円・宿泊費○○円・接待費○○円)と明記します。
往復交通費・宿泊費は、領収書通りに記載します。接待交際費は、客先との会食の際に請求が可能で、会社によっては訪問時の手土産代や贈答品支払も請求できる場合があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
仮払いで先にお金を頂いている場合は、出張先から戻ったら速やかに清算し、残金を返金しないといけないので、どちらであったとしても領収書はきっちりとっておきましょう。紛失しないように気をつけてください。
出張伺い書の正しい書き方の手順は、下記のとおりです。
1.出張伺い書フォーマット
2.申請する年月日
3.申請者の所属部署と氏名
4.出張先と出張の目的
5.出張先と出張の目的・主旨
6.出張する期間(年月日)
7.出張の際、滞在する宿泊先
8.出張中の連絡先
9.出張の日程と出張にかかる費用
10.日当費用
11.同行者の有無
12.出張先での業務内容
13.上司の承認欄
以上が、主な手順になります。それでは、具体的にみていきましょう。
出張伺い書フォーマットとは、決められた雛形もしくは、自分で作成した書面です。会社へ提出する際、作成します。
申請する年月日は、出張伺い書を提出する日を明記します。必ず、最低でも、出張する1週間前までには申請するようにしてください。そのため、申請日は、出張する1週間前までの設定になっていないといけません。
申請者の所属部署と氏名ですが、必ず、フルネームを明記し、所属部署は、正式名称を記入してください。省略した部署名や、○○部が抜けて〇〇課だけの略式で書かないように気をつけてください。
出張先と出張の目的は、出張するエリアと訪問する会社名や場所を明記します。訪問先の住所や電話番号も、もしもの場合に必ず明記するようにしておいてください。そして、目的(何をしに行くのか)を明記してください。
出張先と出張の目的・主旨ですが、訪問する会社での目的を明記したら、その結果どのような成果をあげられるのかについて、または、どのような効果が得られるのかを明記してください。
出張する期間とは、出発から帰宅までの日程を明記します。この際、10番で日当費用について説明しますが、出張に出かける時間や戻ってくる時間も重要になりますので、明記するようにしてください。
出張で滞在する宿泊先名は、宿泊先の宿名、住所、電話番号も明記するようにしてください。災害時に安否確認できるかどうかの想定もしておくことが大事です。
出張中の連絡先は携帯電話を会社から支給されている場合、会社の携帯番号と個人の携帯番号の2つを明記するようにしてください。1つだけしか携帯がない場合は、1つだけで大丈夫です。
出張の日程と出張にかかる費用についてですが、日程は○○月○○日から○○月○○日までの○○日間、出張にかかる費用については先に合計金額を明記します。内訳と記入して往復交通費、現地での移動にかかる費用、宿泊費、交際費及び接待費、手土産代(もらえる場合)などの詳細を明記してください。
出張の際、会社によっては日当費用がもらえることもありますので確認してみてください。日当費用とは、会社にいつも行く時間より早く出発する場合、○○時間拘束時間が長いなどの理由で日当が発生しますので、必ず会社に確認してからもらえるようなら明記してください。
同行者の有無は、有・無ではなく、無の場合は「無」でよいですが、有の場合は「有」にして同行者何名と明記するようにしてください。
出張先での業務内容とは、商談・打ち合わせ・展示会など、何をしに行くかの内容を簡潔にわかりやすく明記してください。
上司の承認欄は、上司が確認し了承したという証になりますので、必ず提出前に上記すべてに抜けているところや誤字脱字がないかをチェックしたうえで、印鑑をもらうようにしてください。
出張伺い書は余裕をもって提出しないといけません。なぜなら、出張に際し会社内の仕事を他の人に引継ぎしたり、上司に相談したりしないといけないためです。そのため、最低1週間前には提出を完了するようにしましょう。
出張に際し、高額の請求が必要な場合は早めに提出しておかないと、やり直しが響いて間に合わなくなるという最悪のパターンに陥ることもあるため、注意が必要です。
何事も早めに行動するように心がけましょう。そうすることで、上司や同僚からの信頼もおおいに得られるでしょう。
出張伺い書を作成し詳細を明記していくことで、無駄な時間や経費を省くことができるということが理解できたかと思います。出張伺い書の提出は、会社にとっても出張する本人にとってもメリットがあるということがわかり、現地での予定もしっかりと把握できるためスケジュール管理がきちんとできる手段の1つですね。自分自身も予定がくみやすくなります。
出張伺い書は会社によっては決まったフォーマットや形式がありますので、確認が必要です。フォーマットがある場合は、とても簡単で決められたところに簡潔に明記していくようにしてください。時間もそんなにかかりません。
要点をしっかりまとめて、わかりやすく書くように心がけるようにしてください。くれぐれも、ダラダラと長い文章を書くようなことはしないでください。会社にとっても、自分にとってもメリットがある、出張伺い書は、無駄を省ける大事な書類です。