物を貸し出し、返却された際に作成される用紙で様々な場面で使用される書類が返却確認書です。少し作成は面倒かもしれませんが、後のトラブルを未然に防ぐためにも作成しておいて損はない書類となっています。
返却確認書について使い方や使用時の注意点や作成ポイントなどをご紹介いたしますので、是非参考にしてください。
返却確認書は、貸し出していたものを返す際に「確かに返却いたしました」と返却を証明するために作られる書類です。本の貸し出しをしている図書館で使用されていたり、レンタルCD・DVD・漫画やレンタル自転車、レンタカーなどのレンタルを行っている会社でも返却時に返却確認書にサインを求められる事があります。
返却確認書の作成は必須ではなく、決まった様式もありません。
会社の従業員が何らかの理由で仕事を辞めた場合、従業員の私物が会社に残っている場合があります。勝手に処分してしまうと後に返してほしいと連絡があった場合トラブルとなってしまいます。
どのように辞めたかは関係なく、従業員の所有物の所有権は会社にはありませんので、本人と連絡が全く取れない場合は郵送などで必ず返却しましょう。(雇用契約書に、上記の場合会社に残っている私物は処分すると記載しており、合意している場合は除きます。)
その際一緒に返却確認書を添付しておくことで返却した証拠ともなります。
返却確認書は職員の押印のみでも十分返却の証明となります。
◆想定されるトラブルとは・・・
借りていたものを返却する際に返却確認書が無い場合、「返してもらっていない」と言い張られてしまうケースがあります。そのような場合、返却を証明できるものがないと、民法上「返却されていない」とされてしまうこともあります。
返却確認書は、証拠品として提出できるので、トラブルを大きくしてしまわない為にも物を借りた場合は、返却時にこの返却確認書を作成し渡す事をおすすめします。
◆高価な物・大切なものは必ず作成
知り合いや仲のいい友達の間でもよく物の貸し借りがあると思いますが、高価な物だったり、大切な物の場合はとくに、返却時には返却確認書を渡しておくと「返した」「返してもらっていない」のトラブルを避ける事ができ、関係性が崩れてしまったという事を防ぐことが出来ます。
◆返却確認書を作成してもらえない場合…
返却確認書を作成できないと言われた場合は、借用時に記入した借用書を返還する事を求める事ができます。これは民法487条の、借主は貸主に物品を返却するという自らの債務を履行すれば、証書の返却を求める事ができるとされています。
返却確認書の作成を拒まれた場合は、トラブルを避けるためにも、借用書を返還してもらうようにしましょう。
返却確認書を双方で保管できるようにコピーは必要かどうかについて、必ず渡さなければいけないという事はありませんが、基本的には双方保管できるように2部作成するほうが良いでしょう。
返却確認書は通常その場でサインをしてその場で渡すものですが、何らかの理由で手渡しができない場合、郵送にて送付し、サインをしたものを返送してもらう方法でも可能です。返却時の郵送切手の添付や、控えがある場合は2部共添付し「控え」と「提出用」がわかるように記載いて送付するようにしましょう。
書類について問い合わせができるように、問い合わせ先の電話番号と担当者の名前の記載を忘れずにしておきましょう。
貸出人は、貸し出す際に「物品借用書」を作成しておくと、借用者から「そもそも借りていない」と言われる事を防ぐことができ、返却される際には返却確認書を貸出人が作成しておき返却時にサインをもらうような形でも問題ありません。
貸出人が借用書を作成している場合で、借用書に破損についての注意点などを記載している場合、その注意点に沿って破損個所がないか、あればどのような対応をするのかを確認しなければいけません。
双方の氏名や住所連絡先を記載しておきましょう。貸出人が返却確認書を作成する場合は、貸出人の名前の後ろに「様」を付ける事を忘れないようにしましょう。対して借用者が返却確認書を作成する場合は、貸出人の名前に「様」や会社名の場合は「御中」を付ける事を忘れないようにしましょう。
借用日と返却日をそれぞれ記入しましょう。この時双方年月日を記入するようにしましょう。
返却するものをそれぞれ書き込みましょう。
破損個所や紛失がないかを一緒に確認できるように、チェックリストを作成しておくと、万が一破損があった場合でも即時に気づく事ができ、対処する事ができます。チェックリストを作成する場合は、借用書に破損があった場合の対処について必ず記載しておきましょう。
記載がない場合は、破損があったとしても借用人から対応してもらう事ができませんので注意しましょう。
お試しのために商品を貸し出した場合、返却確認書の中にアンケート欄を作成すると別でアンケート書を作成せずに済むので便利です。
返却の事実をより確実にするために、返却者の押印欄を作成し押印を貰いましょう。もちろんサインのみでも可能です。
作成が面倒と感じられる方や、作成時間が取れない方におすすめなのが、無料でダウンロードが出来るテンプレート・ひな形サイトで簡単にダウンロードし使用するのも良いでしょう。
様々な様式がある為、自分の使いやすいひな形を見つける事ができます。必要事項もご自身で、簡単に追加する事も出来ます、是非ご利用ください。